アジャイルなビジネスモデルは今日の企業には必要不可欠になってきています。ITセキュリティももちろん例外ではありません。サイバー脅威は絶え間なく進化し続けているので、迅速かつ柔軟なITセキュリティの必要性は著しく高いと言えるでしょう。それを踏まえて、IT環境にもう少し機敏性を持たせるための3つの創造的なハックをご紹介します。
バディシステムの活用
企業の機敏性を考えるとき、困難な状況に陥ったときにどう対処するかが中心的な課題になります。アジャイルな組織は苦境に陥ったときの対処法が優れています。この点から最初のハックが考えられます。それは、数の強みを生かすことです。
IT管理者は、良かれ悪しかれ、内向的な傾向を持っています。多くの場合、一匹狼のように振舞います。このアプローチは単純な仕事には適していますが、困難な状況に陥りやすい、タスクが複雑に絡み合った場面においては、アジャイルなアプローチが必要になります。複雑なサポート要請、デプロイメント、プロジェクトでは、「バディシステム」を取り入れることが、必要とされるアジリティを高める優れた方法です。
実際のテクニックは、チームメンバーを特定のタスクのパートナーとして割り当てるときに発揮されます。Myers-Briggs テストのような人格特性なども含め、それぞれの人の特定の強さと専門分野を把握し、ある人の能力が他の人の弱点をカバーするようにマッチさせます。その際、パートナー関係として、苦境に陥ったときに生かす様々なスキルや能力を記述しておきます。これが企業のアジリティに結びつきます。
縛られないアジリティ
ITのアジリティを高めるためには困難な状況に陥ったときの対応が重要になりますが、そのためには組織の柔軟性を妨げる障害物をなくす必要があります - エンジンに油をさすのが必要なように。ポケットにスマホを入れて生産性を上げられるような現代においては、決まった場所に縛られて柔軟性をなくし、コラボレーションに支障をきたすようなことは避けなければなりません。
2016年の Forbes の記事は、オープンなワークスペースを用意してコラボレーションを促し、アジリティを向上させる方策について記述しています。この方策は効果的で、2020年までに英国のオフィスの70%以上が採用するのではないかと示唆されています。早々にこのコンセプトを実践した大手テレコムのO2では、社員の半数以上がオープンなワークスペースを利用して柔軟さを享受しています。
IT部門にオープンなワークスペースを用意するとはどういうことでしょうか?最も柔軟な方法で作業するために必要なツール(モバイルデバイス、ワイヤレスカバレッジ、VPNアクセス)を供給するだけで実現できます。
ストレスからの開放
IT管理は長時間作業を強いられるストレスの多い仕事です。深夜に緊急事態が発生したりすれば、疲弊しきってしまうこともあるでしょう。そのようなときは、柔軟性や機敏性は望めません。コンプライアンスを守り機敏性を損なわないようにするために必要なのは、ときどきリラックスして楽しむことです。
成長著しい新鋭企業で、ゲームルーム、オープンバー、カラオケラウンジなどを備えているところがあります。これらはただ娯楽を提供するだけではありません。ソーシャル・コラボレーションの中心に位置づけて、社員のアジリティを刺激しながら同時にストレスを軽減することができます。
Medical Chronicle は職場でのストレスが悪影響を与え、いいアイデアが浮かばなくなったり生産性が落ちると指摘しています。卓球をしたり冷たいビールを飲みながら創造的な議論ができるかもしれません。そういったリラックスできる環境を整えれば、ストレスが軽減でき、協力的な関係を育成でき、高いアジリティを維持できるようになります。
今日のIT管理者は、永続するサイバー攻撃の脅威のために、かつてないほどの困難な状況に立たされています。コラボレーションを向上させ、縛られないことで創造性を高め、そしてちょっとしたことを楽しむ自由を忘れないようにすることで、ITチーム全体のアジリティを高められます。