南ミシシッピのハティスバーグ・クリニックは、50万人以上のミシシッピ州住民に対して様々な健康上の問題への対処を行っており、誰もが忙しく働いています。診療行為が最優先されるため、ファイル転送といった処理に問題が生じて時間を取られることは最も避けたい事態です。
プログレスでは、クリニックのサーバーシステム部長、Josh Hazel 氏と、データベースシステムのデータ抽出担当の Stephen Klauk 氏にインタビューする機会がありましたので、ご紹介します。
--- インタビュー内容 ---
プログレス: MOVEit を導入する前に行っていたファイル転送プロセスにはどういう問題がありましたか?
Hazel 氏: 2011年に、Epic と呼ばれる、新しい EMR (Electronic Medical Records) システムと EHR (Electronic Health Record) システムを稼働させました。その時点で、Unix サーバー環境に切り替えて、多くの転送プロセスのスクリプトを作成しました。すべての Unix スクリプトを作成しましたが、ディレクトリがばらばらに散在してしまうことになりました。
全プロセスにおいて徹底的に注意深さを心がけながら、スクリプトを作成してテストしようとするのは大変時間がかかる作業です。単なるコピーコマンドではありません。受信されたことを確認し、多くのフェイルセーフチェックなども実行する必要があります。この困難さがきっかけでした。私たちはしばらくの間、スクリプト作成という手段を使っていましたが、Epic はモジュール式なので、EHR がどんどん大きくなっていくと、追加するモジュールも増加し、非常に時間をとられました。
プログレス: EMR システムで、新しいユースケースが発生すると新しいスクリプトを書かなければなりませんでしたか?
Hazel 氏: まさしくそうでした。ファイルの送信先が異なるベンダーや異なるシステムだったり、または異なることを行うファイルだったりします。1年ほど後に、緊密なパートナーシップを結んでいる病院システムへのファイル転送を行うことになりました。ジョイントタイプの環境として EMR に組み入れましたが、ますます多くのスクリプトを作成しなければならず、大問題になりました。作成しなければならないスクリプトがどんどん多くなって、手が付けられないほどになりました。
プログレス: 2014年に MOVEit を導入されましたが、WS_FTP も使用されていますね。MOVEit と同時期の導入でしたか?
Hazel 氏: 記憶違いがなければ、WS_FTP Server の導入も同時期でした。
プログレス: WS_FTP はどう使用し、MOVEit の使用とはどのように違いますか?
Hazel 氏: MOVEit は、主に、あるシステムから別のシステムへの転送や、システムからベンダーへの転送などに使用しています。物資を納入するベンダーとのやり取りには SFTP サーバーを使います。接続のためのドロップボックスフォームのようなものを持っています。
プログレス: MOVEit は誰が使用しているのですか?
Hazel 氏: もっぱら技術部門です。IT 部門でタスクを設定する必要がある場合もありますが、だいたいは管理だけで大丈夫です。
プログレス: パートナー会社は、MOVEit についてどのように感じていますか?
Klauk 氏: 彼らはほとんど認識していないと思います。私たちは MOVEit 使用して転送しますが、先方には、ただ「このファイルを転送しました。」と言うだけですから。送信に問題があったらこちらでチェックできます。ログを使用して、どこで問題が起きたのかを特定できます。
Hazel 氏: 私たちが使用している製品は受信者にはほとんど見えませんが、システムを快適に感じ、信頼いただいていると思います。何かが停止していたり、システムがメンテナンスモードになっていたりしていて、接続できない場合がありますが、その場合は MOVEit から連絡が入ります。連絡を受けた部門はすぐにベンダーに連絡しますが、ベンダーがまだ問題があったことに気付いていないこともあります。すぐに問題を解決してファイルを再送信しますが、このプロアクティブなアプローチで、パートナーの信頼が培われます。すべてをアーカイブするので、必要に応じて送信したファイルを確認できます。
プログレス: MOVEit を、どのようにして見つけたのですか?マネージド・ファイル・トランスファーとか安全なファイル転送ソリューションとかいったキーワードで、多くのベンダーに問い合わせたりしたのですか?
Hazel 氏: 新しいプロセスが追加され、新しいスクリプトを書かなければならなくなったとき、頭を掻きむしって、もっといい方法を探すべきだと叫びました。新しいスクリプトを書いてテストして実装しなければならなくなったとき、別のプロジェクトに取り掛かっていました。ひと息つく時間さえありませんでした。
さきほど話した病院システムへのファイル転送を組み込むことになったとき、このパートナー会社ではすでに MOVEit を使用していました。製品と使用経験について問い合わせました。堅実で安定していて、タスクやホストの設定も簡単だとのことでした。製品には何の問題もありませんでした。試用版をダウンロードしてインプリメントしましたが、すべての設定のシンプルさと、タスクを迅速かつ簡単に自動化できることに感激しました。
ログや監査証跡も記録します。私たちは新しいプロセスのためにログや監査証跡なども毎回書かなければなりませんでしたが、(MOVEit では) 新しいタスクを設定すればそういったものはすでに組み込まれています。時間を節約でき、フラストレーションから解放されることができると感じました。
プログレス: なぜ自動化が必要だと思ったのですか?Windows、SQL Server、Unix の 3 種類の異なるシステムのためにスクリプトを作成しなければならないことに疲れたからですか?MOVEit Automation でスクリプト作成の負荷をなくせましたか?
Hazel 氏: 100% その通りです。
Klauk 氏: サーバーをセットアップしていくつかのタスクを設定したら、すぐに慣れました。本当に簡単です。
プログレス: クリニックにとって、HIPAA (医療保険の相互運用性と責任に関する法律) の遵守は重要ですが、HIPAA 遵守に関して MOVEit を使用することのメリットは何ですか?
Hazel 氏: 検証という観点で、レポートや監査証跡をチェックし、どのような方法で転送されたのか、どのようなメカニズム (SSH など) が使用されたのかを確認したり、暗号化を検証したりすることが簡単にできます。スクリプトを作成するときは、適切に処理していることがわかっていても、それを誰かに証明したり、検証のために文書化したりするのは極めて面倒で煩雑です。
プログレス: スクリプトを書くのにどれくらい時間がかかりますか?
Klauk 氏: 私が携わったプロセスでは、スクリプトをまとめ、Windows PC でテストするのに30分から1時間かかります。MOVEit では数分で終わります。
プログレス: 作成に数分かかったプロセスも、実行されてうまくいくことが証明されれば、信頼できて繰り返し可能になります。
Klauk 氏: そうですね。そしてすべてが記録されて追跡できます。
プログレス: 新しい自動化プロセスを作成するときも、実証済みのプロセスを参考にできるのは大きな利点ですね?
Klauk 氏: 間違いなく。基本部分をコピーして、送信先などの小さな変更を加えれば済むといったことが多いです。
Hazel 氏: 私の場合は単純なタスクが多いですが、Stephen (Klauk 氏) はプログラマティックな部分で創造力を働かせました。ファイルを解析し、異なるソースから2つの異なるファイルを取り込み、それらを照合して3番目の宛先に送信するといったタスクも作成しています。
プログレス: スクリプトを追加することなく、MOVEit Automation だけですべてを実行していると考えていいですか?
Klauk 氏: 大部分はそうです。少し Visual Basic スクリプトを書きましたが、MOVEit はそれを簡単に組み入れることができます。
顕著な例は、ベンダーに送らなければならなかったステートメントファイルでした。ファイル名にファイル数を入れて、1 つのファイルに圧縮する必要がありました。MOVEit の組み込みの圧縮関数を使用してファイルをまとめて送信する、簡単な Visual Basic スクリプトを作成できました。
プログレス: メリットを具体的に示す統計値はお持ちですか?
Hazel 氏: 最近は、もう統計を取っていません。(メリットは) 7年も利用し続けていることで示されていると思います。初期の頃、新しいスクリプトや新しいプロセスを自分たちで作成するのにかかっていた時間と、MOVEit を使った場合にかかる時間を比較・追跡していました。45分から1時間、さらには90分かかっていたものが、7分になりました。
スクリプトを書くのに30分から45分しかかからないとしても、30分から45分の途切れない時間を見つけることが難しかったのです。スクリプトやプログラミングは、数日間で少しずつ作成するのは難しいものです。タスクに取り組もうとして途中で停止し、その後2、3日間は取り組めなかったとすると、何をしようとしていてどこまで進んだのかをなかなかすぐには思い出せません。
MOVEit では、ホストを 1 回設定すれば、新しいタスクは転送先をポイント・アンド・クリックしたりして設定できます。早い段階で追跡を行い、大幅な節約を確認できました。正確な数字は覚えていませんが、時間とリソースだけで80%以上の改善が見られました。(メリットを示す統計値がないのは) 長い間その必要がなかったためで、今ではこれ (MOVEit) が私たちの標準です。
手間のかかる長いスクリプトをすべて手作業で書くことは、(今では) 考えもしません。MOVEit の機能を利用してタスクを作成し、設定すればすみます。本当に簡単です。ベンダーと話しながらその場で設定できてしまいます。
プログレス: ファイル転送の効率化はどの程度重要ですか?
Hazel 氏: 効率化で、EMR のサイズが拡大してもかなりの時間的余裕が出来て、他のプロジェクトに集中することができます。
Klauk 氏: わかりやすい例として、MOVEit のダッシュボードを見てください。今日は 14,732 件の転送を行いました。以前の方法に戻れば、転送したファイルの数を調べるのにもログを調べたりしてかなりの時間がかかります。MOVEit では、今日何が起こっているのかを一目で見ることができます。
Hazel 氏: 7年前に MOVEit を導入していなかったら、異種システムのログファイル、多様なスクリプト環境やアプリケーションを念入りにチェックしないと、すべてを1つのレポートにまとめることができず、非常に長い時間を浪費することになります。MOVEit のダッシュボードは優れた機能です。データを送信するすべてのソースからアクティビティを確認でき、失敗したアクティビティがあればすぐドリルダウンしてチェックすることができます。これは大きな利点です。すべてのタスクは、成功と失敗に関する通知を送信するように設定されています。
プログレス: コンプライアンス規制である HIPAA を遵守する必要がない人たちへの助言はありますか?
Hazel 氏: 必要がないとしても、そうすべきではないということにはなりません。たとえ安全を求める規制がなくても、そうすることが簡単なら特に、安全に転送することは悪い考えではありません。安全に、適切に転送することが難しくないなら、そうしない理由はありません。
Doug Barney
Doug Barney was the founding editor of Redmond Magazine, Redmond Channel Partner, Redmond Developer News and Virtualization Review. Doug also served as Executive Editor of Network World, Editor in Chief of AmigaWorld, and Editor in Chief of Network Computing.