イプスイッチは先ごろ、MuleSoft の Anypoint Exchange に新しい MOVEit Transfer 用の MuleSoft コネクタをリリースしました。MuleSoft の利用者は、このコネクタを使って安全なマネージド・ファイル・トランスファー・ソフトウェアが有する高度な能力を Mule アプリケーションに簡単に統合して、イプスイッチの MOVEit 製品の機能を活用することができます。 イプスイッチは、ネットワークでつながった世界を、より安全にデータ共有できる世界にすることを目指しています。
MOVEit Transfer は、重要なファイルやデータを、保管中も転送中も、安全に保護します。整合性チェック、監査証跡、厳重なセキュリティ管理を必要とする機密データを処理しなければならない場合に理想的なソリューションです。
MuleSoft コネクタを使うと、Mule アプリケーションからイプスイッチの MOVEit Transfer とリモートで接続して豊富なファイル操作を実行できます。MOVEit Transfer Server は、クラウドベースのサービス、またはバックエンドサーバーを介して利用できます。
開始するにあたって
MuleSoft の Anypoint Platform へのアクセスをお持ちの場合は、以下の手順でコネクタを利用できます。
- まだ MOVEit Transfer をご利用でない場合は、イプスイッチまでお問い合わせいただくか、MOVEit Cloud サービスにサインアップするか(無料試用可能)、またはサーバーをホストするために MOVEit Transfer 製品ライセンスをご購入(無料試用可能)ください。
- MOVEit Transfer へのアクセスが獲得できたら、コネクタを使って Mule アプリケーションの開発を始めることができます。コネクタは Anypoint Exchange から直接利用可能です。コネクタ自体を使用するのに追加料金は発生しません。
- Mule アプリケーションを展開して結果を確認します。
一つの例
Mule アプリケーションでコネクタを使用する例を見てみましょう。
Anypoint Platform で、Amazon S3 バケットか らMOVEit Transfer Server にファイルを転送し、Slack チャネル経由で受信者に通知するフローを作成する必要があるとします。フローは HTTP リクエストによってトリガーされます。
Mule アプリケーションの作成
Anypoint Design Center にログインして、”MOVEit Demo” という名前の新しい Mule アプリケーションプロジェクトを作成します。ウィザードをスキップして、[Go straight to canvas] をクリックします。
トリガーを追加
キャンバス上で、トリガーカードをクリックし、[HTTP Listener] を選択して、パスとして “demo” と入力します。他はすべてそのままにしておきます。
Amazon S3 Connector を追加
[+] アイコンをクリックして、[Amazon S3 Connector] と [Get Object] オペレーションを追加します。バケット名とソースファイルのキーを入力します。アクセスキー、秘密キー、地域などの接続情報を設定します。S3 から MOVEit Transfer にファイルを直接ストリーミングするため、[Advanced] タブでストリーミング戦略として [Non Repeatable Stream] を選択します。
MOVEit Transfer の MuleSoft コネクタを追加
[+] アイコンをクリックして、[MOVEit Transfer] と [Upload File to Folder] オペレーションを追加します。フォルダIDとファイル名を入力します。MOVEit UI からターゲットフォルダIDを取得することも、コネクタで動的に取得することもできます。[File Content] フィールドが先行するステップのデフォルトで “payload” に設定されていることに注意してください。この例では、S3の [Get Object] オペレーションのアウトプットです。
次に、MOVEit Transfer のURLとユーザー・クレデンシャルを使用して接続を設定します。接続設定は、同じプロジェクト内の複数のフローで共有できます。必要に応じて、リクエストごとにユーザー・クレデンシャルを指定することもできます。詳しい手順についてはユーザーガイドを参照してください。
Slack Connector を追加
[Slack Connector] と [Chat - Post Message] オペレーションを追加します。チャネル名と接続情報を入力します。たとえば、以下に示すようなメッセージテキストを指定します。
%dw 2.0
output text/plain
---
"Transferred the file " ++ payload.name ++ " ID: " ++ payload.id
アプリケーションのテスト
では、アプリケーションを実行してテストしましょう。画面上部の [Run] ボタンをクリックしてアプリケーションを起動し、[Run] ボタンの横に表示されている URL (/demo が後続) を使って、ブラウザおよびその他の HTTP クライアントから HTTP 要求を発行します。
MOVEit Transfer UI からアップロードされたファイルと Slack チャネルの通知メッセージを確認することができます。
その他の検討事項
Mule アプリケーションの開発環境を最適なものにするには、エラー処理とロギングを追加することを推奨します。エラーコードの詳細については、ユーザーガイドを参照してください。
MuleSoft の MOVEit Transfer コネクタはここからアクセスできます。