PowerShell を使って Chocolatey パッケージをリモートでインストール

PowerShell を使って Chocolatey パッケージをリモートでインストール

投稿者: Dan Franciscus
投稿日: 2018年11月26 0 Comments

Chocolatey パッケージをリモートに展開するための「無料の」ソリューションの1つに、PowerShell があります。PowerShell には、ソフトウェアを多数の異なるマシンに同時に展開できるリモート処理機能があります。このブログではその使い方を説明します。

以前のブログにも書きましたが、Chocolatey は組織内でソフトウェアを管理するためのユニバーサルな方法を提供するので、多くの Windows システム管理者に歓迎されています。Chocolatey とCMD や PowerShell との間のインタフェースとして CLI(コマンドラインインタフェース)が使用されることからもわかるように、ソフトウェアをクライアントのワークステーションやサーバーにリモート展開するには、PowerShell 以外にも、Puppet、Chef、SCCM など、別の方法を使うことも可能です。

PowerShell のリモート処理の例

筆者自身が重宝してよく使うコマンドは、Invoke-Command です。このコマンドレットを使って、多くのコンピュータ上で同時にリモートコマンドやスクリプトを実行できます。よく使われるパラメータは、ComputerNameScriptBlock の2つです。ComputerName パラメータには、リモートコードを実行するホスト名を指定します。ホストは1つでも複数でも指定できます。ScriptBlock パラメータは、その名が示す通り、実行したいコードのブロックです。

次は、Active Directory にあるすべてのマシンの User Profile Service のステータスを取得する例です。

$Computers = Get-ADComputer -Filter * | Select-Object -ExpandProperty Name

 

Invoke-Command -ComputerName $Computers -ScriptBlock {

    if (Get-Service ProfSvc | Where-Object {$_.Status -eq 'Running'}) {

        Write-Output "$Env:COMPUTERNAME has ProfSvc running"

    }

}

PowerShell は、User Profile Service が稼働中であるかどうかをチェックし、稼働中のコンピュータ名をアウトプットとして返します。

WIN-1 has ProfSvc running

WIN-2 has ProfSvc running

WIN-3 has ProfSvc running

WIN-4 has ProfSvc running

Chocolatey のインストール

Chocolatey パッケージをインストールするためには、ローカルマシン上であろうと、リモートの PowerShell セッション上での実行であろうと、同じ choco install コマンドを使用します。プロンプトを表示せずにパッケージをインストールするには、-y 引数を追加します。

ローカルマシンに Firefox をインストールするには次のようにします。

choco install firefox –y

これだけで、Firefox はインストールされて使用できるようになります。一度に複数のパッケージをインストールすることも簡単です。ただ、choco install コマンドの後に、複数のパッケージ名をスペースで区切って指定するだけです。

choco install firefox googlechrome -y

複数マシンへのリモートインストール

このセクションでは、複数のマシンに一度に Google Chrome をインストールする方法を説明します。まず、Active Directory で特定のOU(Windows 10)を検索して、コンピュータ名を PowerShell の変数にロードします。次に、Invoke-Command を使用してそれぞれのマシンに choco install を適用します。Chocolatey が Chrome を正常にインストールしたかどうかを確認するエラーチェックも行います。

$Computers = Get-ADComputer -Filter * -SearchBase "OU=Windows 10,DC=domain,DC=com" | Select-Object -ExpandProperty Name

 

Invoke-Command -ComputerName $Computers -ScriptBlock {

    choco install googlechrome -y | Out-File -FilePath C:\Windows\Temp\choco-googlechrome.txt

    if ($?) {

        Write-Output "$Env:COMPUTERNAME Successful"

    }

    else {

        Write-Output "$Env:COMPUTERNAME Failed"

    }

}

アウトプットは、例えば以下のように返ってきます。

WIN10-1 Successful

WIN10-2 Failed

PowerShell で $? 変数を使用すると、各マシンで前のコマンドが成功したかどうかをチェックすることができます。ここでは choco install のアウトプットを C:\Windows\Temp のログファイルにリダイレクトしています。アウトプットをリダイレクトしないと、すべてがローカルの PowerShell セッションに返されてしまうため、解読するのが非常に困難になるからです。また、必要が生じたとき、個々のログを詳細に調べるのが少し楽になります。

複数マシンのすべての Chocolatey ソフトウェアをリモートでアップグレード

最後に、メンテナンス期間中に、複数のマシンで使用されているすべての Chocolatey パッケージをアップグレードする方法を説明します。この場合も、PowerShell の Invoke-Command を使用しますが、今回は各マシンのすべてのパッケージをアップグレードします。エラーチェックを念入りにしないといけないので、choco upgrade all は使いません。その代わりに choco upgrade で個々のパッケージを個別に実行し、うまくいかなかったものがあればそのパッケージを PowerShell のハッシュテーブルに入れます。

$Computers = Get-ADComputer -Filter * -SearchBase "OU=Windows 10,DC=domain,DC=com" | Select-Object -ExpandProperty Name

 

 Invoke-Command -ComputerName $Computers -ScriptBlock {

    $Packages = choco list -lo -r  | % {($_.split("|"))[0]}

    foreach ($Package in $Packages) {

        choco upgrade $Package -y | Out-File -FilePath "c:\Windows\Temp\choco-$Package.txt"

        if ($LASTEXITCODE -ne '0') {

           $Results = [PSCustomObject]@{

                ComputerName = $Env:COMPUTERNAME

                Package = $Package

            }

            $Results

        }

    }

}  | Select-Object ComputerName,Package | Sort-Object -Property ComputerName

 

結果は、アップグレードしようとしている間にエラーがあったマシンとそのパッケージのソートされたリストになります。

ComputerName Package

------------ -------

WIN10-1      vagrant

WIN10-1      Gpg4win

WIN10-1      bitvise-ssh-client

WIN10-1      citrix-receiver

WIN10-2      dropbox

まとめ

ソフトウェアを展開するには多くのツールがありますが、PowerShell のリモート処理も検討に値するオプションです。インテリジェントなスクリプトを組み合わせて、一度に多くのマシンにパッケージをインストールしたり、アップグレードしたりでき、効率化が実現できます。

Dan Franciscus

Dan Franciscus is a systems engineer and VMware Certified Professional (VCP) specializing in VMware, PowerShell, and other Microsoft-based technologies. You can reach Dan at his blog (http://www.winsysblog.com/) or Twitter at @dan_franciscus.

コメント

Comments are disabled in preview mode.
トピック

Sitefinityトレーニングと認定を開始

クラス最高のSitefinityの機能を使って、魅力的なデジタル体験を提供する方法をエキスパートがお教えします。

さらに詳しく

より優れた業務アプリケーションやウェブサイトの開発に役立つ、ニュース、情報、チュートリアルをご案内します。

The specified form no longer exists or is currently unpublished.