どんな仕事にもストレスは伴います。デッドラインが迫っているのにプロジェクトがなかなか収束しそうになかったり、経費削減された上にやるべきことが次々に舞い込んだり、ストレスによってコレステロール値や血圧が上昇して、知らないうちに健康を損ねる人も少なくありません。職場の人間関係のストレスもさることながら、システム管理者にとってはITストレスも極めて深刻で、上手に管理することが重要な課題になります。
ネットワークは順調に稼働して当然と感謝もされず、障害が発生すればすぐにユーザーから苦情が舞い込むIT部門のシステム管理者が、ITストレスにうまく対処するためのヒントをご紹介します。
IT環境におけるストレスレベルの管理に関しては、外部要因を最小限に抑える方法を探すことが重要です。時間管理、予算の使用、人員配置、スケジューリングといった様々な要因が、すべて、そうでなくても負担が大きい仕事に、さらにボディブローのようにストレスを加える可能性があります。TalentCultureの調査によると、医療系のIT管理者の52.2%が毎日のストレスレベルを不健康(10段階で6以上)と評価しています。
システム管理者が毎日の仕事で常に高いストレスを受けるのは、その仕事が多くの責任を伴うものであるからというのが一番の理由でしょう。IT管理者は、ネットワークの可用性とパフォーマンスからデータ整合性や従業員の権限割り当てに至るまで、すべてに責任を負わせられる可能性があります。すぐにあふれてしまうような責任範囲の大量な業務を効果的に管理するためには、適切な優先順位のつけ方を身につける必要があります。
必要な業務のリストを作成し、IT管理の負担を軽減できるよう、日単位あるいは週単位で業務リストと優先順位を見直すよう心掛けてください。このプロセスでは、組織のミッションとして何を目指しているのかを常に意識し、IT部門には何が期待されているのかをしっかりと理解しておくことが大切です。優先順位リストには、業務内容を明確に定義したカテゴリを含める必要があります。各カテゴリは、組織のミッションに合致するコア機能に対する重要性と、緊急性によってランク付けする必要があります。このようにして優先順位を管理できれば、新しいタスクが発生しても、速やかに優先順位を整理し直すことができます。リストと照らし合わせて、適切なタイミングで適切なプロジェクトを実施できていることを確認できます。
ですが、いくら用意周到に優先順位を付けて対処しようとしても、どうしてもプロジェクトが予定通りに進まない事態が発生することはあります。残業が続き、心労で眠れなくなることもあるかもしれません。そのような場合に最も重要になるのがコミュニケーションです。
焦れば焦るほど時間ばかりが過ぎていき、デッドラインに間に合うどころか、さらに新しい業務が追加されたりしてものすごいストレスに悩まされているとき、問題は、案外上司がその状況を理解していないところにあるのかもしれません。一人で抱え込まないで相談すれば何か解決策が開けるでしょう。ITもチームワークが大切で、上司との効果的なコミュニケーションは不可欠です。
同様に、同僚と実務的な定期コミュニケーションを確立し、直接報告し合うことも重要です。グループミーティングだけでなく、一対一のミーティングも行って、それぞれがどんなプレッシャーがあるのかを理解し、負担を軽減するために各自がどう協力できるかを話し合います。この種のオープンなコミュニケーションは貴重です。実際、15Five が全米で1,000人以上の正社員を対象に行った統計調査では、81%が、華々しい福利厚生を用意する会社よりも、「オープンコミュニケーション」を重視する会社で働きたいと思っていることがわかりました。
最後に、ITの日常的なストレス要因となるプロセスを見直して、自動化できるものがないかを検討することも、大いに推奨されます。ネットワーク監視、印刷管理、アプリケーション・デプロイメントなどのタスクは、ある程度までは自動化できるはずです。自動化で作業負荷が軽減できれば、緊急性の高い問題に迅速に対応しつつ、インフラストラクチャを頑健なものにできます。
以上をまとめると、筆者が推薦したいシステム管理者へのITストレス軽減策は、明確に優先順位付けを行うこと、緊密なコミュニケーションを意識すること、自動化を検討すること、の3点になります。
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