CCleaner などのレジストリクリーナーは有用か?

CCleaner などのレジストリクリーナーは有用か?

投稿者: Greg Mooney
投稿日: 2018年8月9 0 Comments

CCleaner は、一時ファイルと Windows レジストリをクリーンアップするのに使用されますが、Windows レジストリのクリーニングは有益でしょうか?

正直に話せば、私はある時期まで、パフォーマンスが少し良くなるかなと期待しながら、Piriform の CCleaner がマシンのゴミを掃除する便利な無料のレジストリクリーナーだと思っていました。

わかっているつもりになっていても、ちょっと調べてみることで、間違った情報に基づいて判断していたと気が付くことがあります。レジストリをクリーンアップすれば、コンピュータのパフォーマンスが良くなると思い込んでいる人は多いのではないでしょうか?私もそう信じていた一人ですが、CCleaner を使ったことがある人は同じ思い込みをしている可能性があります。

私は、CCleaner がブラウジングのデータ、クッキー、キャッシュなどのゴミをPCから自動的に除去してくれる使いやすいツールだと思っていました。CCleaner は、一時ファイルを削除できる無料のPCクリーナーツールの1つです。ですが、うまく機能するのはその点だけです。

CCleaner は、あまり深く考えることなく使用されていますが、問題を引き起こす可能性を含んでいます。以前にアンインストールしたプログラムの古いレジストリファイルを削除することは問題なくできます。ですが、なぜ古いレジストリファイルを削除するのでしょうか?考えてみてください。

古いレジストリファイルを削除するのは、Windows のレジストリが整理されたらコンピュータのパフォーマンスが良くなると思うからですか?過去のプログラムの古くなったレジストリが予測できない形で作用してコンピュータを遅くする可能性があるからですか?そもそもWindows レジストリの仕組みを知っていますか?そこを理解すると、古いレジストリファイルの削除によって何かが向上するよりもむしろダメージを与えることにつながると気付かされます。

レジストリクリーナーとは何でしょうか?

まず、レジストリクリーナーとは何でしょう?Wikipedia の レジストリクリーナーのページが参考になります。

レジストリクリーナーは、10年以上前、コンピュータの性能が今日ほど速くなかった頃に注目され始めました。基本的には、Windows レジストリをスキャンして、使用されていないレジストリキー、または削除されたマルウェアの残存かもしれない部分をスキャンするツールです。その後、システムの不要部分を取り除くことができます。レジストリクリーニングのベンダーは、Windows レジストリをクリーンアップすることで、コンピュータを高速化することができると主張しています。少なくとも、Piriform はユーザーにそう信じさせたがっています。

レジストリスキャンは本当に必要でしょうか?

率直に言って、「いいえ」です。Microsoft では、独自のレジストリクリーナーツールをリリースしたり、サードパーティーのレジストリクリーナーを承認したりしていませんが、それには理由があります。マイクロソフトとしては、Windows の最も膨大な部分に関わるレジストリをユーザーがいじって混乱を生じさせることを避けたいはずです。簡単に言えば、何をしているかよく理解しないまま Windows のレジストリをいじり回すと、Windows が動作不能になる重大なエラーが引き起こされる可能性があるということです。

もしそうだとすると、CCleaner のようなレジストリクリーニング・ツールが多くの人に使用されるのはなぜでしょうか?

関連ブログ: アバストのサプライチェーンから CCleaner への攻撃

Piriform の CCleaner はまやかし(Snake Oil)

Piriform(現在は Avast が所有)は、マーケティングを行う頭脳明晰な個人によって運営されていますが、まやかしに乗せられないようにしてください。Piriform は、コンピュータ上の不要なものを削除してパフォーマンスを良くしたいという我々の永続する欲求につけこんで利益を得ています。レジストリクリーナーは Piriform の CCleaner だけではく、ほかに、Wise Registry CleanerGlarysoft Registry RepairFrontline Registry CleanerAuslogic Registry Cleaner などがあります。

registry-cleaner-ccleaner-useless

私たちは、Windows レジストリクリーナーやその他の無料のレジストリクリーニングツールを使うことでパフォーマンスが向上すると盲目的に思い込んでいるところがあります。PCがきちんと整理されていると気分よく仕事が進むので、PCも同じように感じるはずだと思うからでしょうか?(ところが、コンピュータは人間のようには考えません。)

残念ながら、Windows のレジストリをクリーニングしてもコンピュータはスピードアップしません。それどころか、実際は逆効果をもたらすかもしれません。問題は、レジストリスキャンを行い、無駄なレジストリを削除するだけの自動化ツールに全幅の信頼を置いていることにあります。気づかないうちに間違いを犯し、実際は重要なレジストリファイルを削除することがないとは言えません。その結果どういうことが起こるのかは、誰にもわかりません。

もちろん、そんなことは起きたことがないと主張する人もいるでしょうし、多くの場合は確かにその通りでしょう。ですが、CCleaner が Windows の動作をおかしくしたという現象も起きています。無駄なレジストリファイルがPCのパフォーマンスを悪化させているわけではないのなら、削除しようといじくりまわす必要があるでしょうか?基本的にはレジストリクリーナーの実行は時間の無駄であり、より多くの問題を引き起こす危険があります。

Windows は、レジストリと潜在的なレジストリエラーを処理するように設計されています。Microsoft が、レジストリのクリーニングがコンピュータ処理に益すると判断していれば、おそらく Windows にそれを組み込んでいるはずです。誰かが別の意見を持っているとしても、Microsoft ではレジストリをクリーニングする必要はないと結論が出たのでクリーニングツールを組み込んでいないということでしょう。レジストリキーは、思ったほどにはスペースを取りません。10年前のレジストリをクリーニングしたからと言って、コンピュータのパフォーマンスが向上するかどうかは、はなはだ疑問です。

CCleaner 使用によるハッキングの発生

昨年の CCleaner のサプライチェーン攻撃を念頭に置いてもう少し考察しましょう。私はクッキーやブラウザのキャッシュをクリーニングするのに役立つ無料ツールを使用することには賛成です。どんどん煩わしくなっている Chrome の設定メニューを熟読するよりも簡単ですから。ただ、多くの人たちが、素晴らしく聞こえる Windows レジストリクリーナーも入っている CCleaner を使用しているのではないでしょうか。ユーザーフレンドリーなインタフェースに気を取られ、そのうたい文句に乗せられることがよくあります。全員ではないにしても、少なくとも私は使っていましたし、まだ CCleaner を使っている友人(そのうち何人かはIT部門で働いています)もたくさんいます。

注目したいのは、CCleaner は、最初から特に有用ではなかったという点です。ブラウザ履歴、クッキー、キャッシュをクリーンアップすることができる多くの無料ツールがあります。ですから、CCleaner に対してサプライチェーン攻撃が行われたのがわかった時点で、使うのをやめるのが賢明でしょう。レジストリクリーナーのためだけに CCleaner を使っていた人は、これを機会に沈思し、怪しげなセールスマンにひっかかったのだと認めることになります。

もしこのツールが信頼された評判の高いアンチウイルス・プログラムだったら、攻撃はベンダーを変えることを検討すべき事態であることを意味します。いずれにしても、CCleaner などの無料ツールを、実際に有用なアンチウイルスなどと同じレベルで保持する必要があるとは思えません。

Greg Mooney

Greg is a technologist and data geek with over 10 years in tech. He has worked in a variety of industries as an IT manager and software tester. Greg is an avid writer on everything IT related, from cyber security to troubleshooting.

コメント

Comments are disabled in preview mode.
トピック

Sitefinityトレーニングと認定を開始

クラス最高のSitefinityの機能を使って、魅力的なデジタル体験を提供する方法をエキスパートがお教えします。

さらに詳しく

より優れた業務アプリケーションやウェブサイトの開発に役立つ、ニュース、情報、チュートリアルをご案内します。

The specified form no longer exists or is currently unpublished.