IT管理者のキャリア選択:スペシャリストかジェネラリストか?

12月 25, 2017 セキュリティとコンプライアンス, MOVEit

サーバー、ストレージ、ネットワーキングに特化した経歴を持っていることは強力な武器になりそうに思えますが、3つの分野すべてにわたって一般的な経験と知識を持っている方が有利にはたらくかもしれません。

オンプレミスであれ、クラウドやハイブリッドモデルであれ、どのようにITがプロビジョニングされるとしても、企業はライトが点灯していることを確認する技術を必要とします。様々な分野でデジタル化への移行が進み、ITインフラストラクチャは拡大する一途ですから、IT管理者の需要は増加し続けるでしょう。

IT管理者がキャリアパスを選択する際には複数の選択肢があります。

一般的なITヘルプはすべての業界に必要ですから、通常、特定の業界やアプリケーションに関係する開発環境やプラットフォームに焦点を当てているソフトウェア開発者やデータベース管理者に比べて、業界に依存しないITヘルプ要員は業界間をスムーズに移行できるでしょう。

 IT管理者が働く業務の形態、社内のIT部門のメンバーとして働くか、オンサイト・サービスを提供するソリューションのプロバイダで働くか、リモート・サービスを提供するデータセンターをホストする企業で働くか、など、の選択肢もあります。

おそらく最も困難なのは、特定の分野(サーバー、ストレージ、ネットワークなど)に特化するか、3つの分野すべてで一定レベルの知識を提供するジェネラリストとして働くかです。特定分野の技術にどれぐらいの興味を持っているかや、最新のテクノロジーを理解する必要がある認定資格取得にどれだけの時間と費用がかけらるかなどが、選択の決め手になります。

キャリアパス選択肢の評価

様々なITキャリアを評価するのに役立つ優れた情報源はPayScaleです。PeyScale は、多岐に渡るあらゆる職種の典型的な責任範囲とそれぞれの適切な平均給与額を提示します。

  • ストレージ管理者 — 平均年俸 = 84K. ストレージ管理者は、データ認証とストレージ・システムを導入および保守し、エンドユーザがいつでも簡単かつ迅速にデータにアクセスできるようにします。また、システム・クラッシュが起こったりデータセンターに災害が発生した場合でも、迅速にデータを復元できるようにする必要があります。
  • サーバー管理者 — 平均年俸 = 67K. サーバー管理者は、サーバーが最適に機能するようにする責任があり、社内ユーザーに適切に認証されたアクセスを提供する必要があります。また、顧客やビジネスパートナーに対してサーバーがどのように機能するかについても責任を負います。サーバー管理者は、他のタイプのIT管理者より、ヘルプデスクでは対処しきれないアプリケーションの問題をエンドユーザーにサポートする可能性が高くなります。
  • ネットワーク管理者 — 平均年俸 = 58K. ネットワーク管理者は、ルーターのスイッチと WiFi デバイスを導入し、維持管理します。すべてのデバイスのネットワーク・アドレス割り当てと、ネットワーク通信プロトコルの管理も、責任に含まれます。ネットワーク管理者は、境界セキュリティを担当することもあります。

3つの分野の管理者のほとんどは、少なくともコンピュータサイエンス、情報システム、数学、または別の技術分野の学士号を取得しています。各専門分野の主要ベンダーの認定を取得し、維持することも重要です。

これら3つの職種に就くには、ハードウェアとソフトウェアについて理解している必要があります。IT管理者は、外部のサイバー犯罪者からの攻撃からだけでなく、故意にデータを盗んだり、意図しないでデータ漏洩を許してしまったりする社内の従業員からの攻撃からも、デバイスを保護する必要があります。帯域幅使用はもう一つの重要な責任範囲です。サーバー、ストレージ、ネットワーク機器のいずれを管理していても、デバイス使用によってアプリケーションのボトルネックを引き起こすようなことは避けなければなりません。

統合システムへのトレンドはジェネラリストに有利か

ツールが進歩して、ITのジェネラリストがすべての種類のデバイスを調達、提供、サポートできるようになってきており、サーバー、ストレージ、ネットワーク・システムをサポートできるインフラストラクチャ管理者としての経験を積むことは検討する価値があります。約71,000ドルの平均年俸は、スペシャリストの最高額よりは少ないですが、3つの異なるインフラストラクチャー・コンポーネントをサポートできる能力があれば人員削減の際に有利にはたらき、より安定性が高いと考えられます。

ジェネラリストは、通常、各分野については専門家のレベルではありませんが、継続的なメンテナンスを提供するのに十分な知識があり、ほとんどの技術的問題をトラブルシューティングできます。重要なことは、デバイス・ベンダーのテクニカルサポート部門と対話する方法を知っているため、エスカレートする必要のある問題を効率的に解決できるという点です。

クラウドによって多くの管理業務がリモートで実行できるようになるので、インフラストラクチャ管理者は、有望なキャリア選択と言えるでしょう。ITは、統合された1つのシステム内に、サーバー、ストレージ、およびネットワーキング技術をすべて含む、ソフトウェアで定義された統合されたインフラストラクチャに近づいています。3つのコンポーネントがどのように動作するかを知っていることは、大いに重宝される価値がある能力になります。

IT キャリアの展望

Occupational Outlook Handbook によると、IT管理者の雇用は、すべての職業の平均と同程度に速く、少なくとも2026年まで毎年6%増えると予測されています。需要は依然として高く、企業がより速くより安全な技術とモバイル・ネットワークに投資するにつれて、成長が続くはずです。

管理職レベルに昇進できるかもしれないIT管理者にとって、見通しは明るいようです。上記ハンドブックでは、コンピュータおよび情報システム管理者の年俸の中央値は2016年にはほぼ136,000ドルと推定されています。2026年までにIT管理職の雇用は12%伸びると予測されています。

重要な点は、サーバー、ストレージ、およびネットワークの役割が今後も続くことです。これらは、ハードウェアよりもサービス提供に焦点を絞った絶え間なく変化するテクノロジーとともに進化しています。ITは、本質的に、コストセンターから、ビジネスの革新を推進するエンジンに変わりつつあります。

それは彼らのIT管理者としてキャリアを積もうとする人たちへ素晴らしいニュースです!

Greg Mooney

Greg is a technologist and data geek with over 10 years in tech. He has worked in a variety of industries as an IT manager and software tester. Greg is an avid writer on everything IT related, from cyber security to troubleshooting.