新しいプロダクトや手法が市場に登場すると、新潮流に乗り遅れないようにと大騒ぎになります。一方で、「次の変革」がまたすぐやってくるかもしれないからと傍観したり、待っていた「次の変革」が空振りに終わったりすることもあります。トレンドに振り回されるのは、明確な戦略を持たない組織によくある間違いです。アマラの法則は次のように示唆しています:新技術のインパクトは、しばしば、短期間では過大評価され、長期的には過小評価される。
トレンドは重要であり、無視すべきではありませんが、「次の変革」に執着することはあまり生産的とは言えません。その技術がどう機能するかを理解できるIT部門のメンバーはその技術の価値がわかるという自負から、より重要な側面、その技術が所属する組織をより強くするのにどう役立つか、をないがしろにしがちです。
導入する技術が、他社には真似のできないような方法で、自社をより強くすることができれば理想的でしょう。技術は革新的でエレガントな手法で実現できるかもしれませんし、「次の変革」が導入に値するのかもしれませんが、競争力を向上させるための企業戦略に合致しなければ、上層部を納得させるのは困難です。Harvard Business Review によると、ロンドンビジネススクールの企業戦略と起業者精神の教授、Julian Birkinshaw 氏は、「あなたは次の波に乗ろうとしないで、パーフェクト・ウェーブを待ち続けている。」と述べました。
このわなにかかるのを避けるには、強調すべき言葉の単純な置き換えが役に立つかもしれません。計画の立て方を学習しようとするよりも、学習の仕方を計画するべきだと、戦略、イノベーション、成長に関する世界的に認知されたエキスパートである Rita Gunther McGrath 氏は断言しています。
ある技術が企業戦略に適合するかどうかを判断するには、広範な視野から考察する必要があります。どの部門も新技術に関する知識を得るための努力を厭わないとは言いますが、たいていは特定の部門に下駄を預けることになります。それらは、業界アナリスト、顧客アドバイザリグループ、競合インテリジェンスなどです。しかし、PwC の Chris Curran、Tom Puthiyamadam、Chrisie Wendin の三氏が寄稿した記事によると、賢明なビジネスリーダーは、知識検索に参考とするべき領域を、オープンソース、「メーカー」のコミュニティ、クラウドファンディング・プラットフォーム、大学のラボなどへとさらに拡大しようとしています。
三氏の指摘は、複数の情報源に積極的に関わっていくことで、多くの潜在的なアイデアを収集するのに役立つというものですが、実際は、戦略的に適したものだけを試してプロトタイプを作成する必要があります。三氏は、超優良企業のPwC調査を読むと、「投資の決定は、コスト削減や技術的優位性によって推進されるのではなく、競争上の優位性を追求することによって導かれる」と書いています。
三氏は、組織が「次の変革」のわなに陥らないような助けにもなり得る、デジタル・トランスフォーメーションへの多年ロードマップをまとめることを推奨しました。そのようなロードマップを作成する企業は昔に比べ少なくなってきていますが、組織独自の技術対応能力を構築していくためには重要な作業になります。
記事には「多年ロードマップを活用することで、企業戦略にそぐわない新しいオポチュニティに巻き込まれるのを防ぐことが容易になります。また、あまり明瞭になっていない新しいオポチュニティにも気付きやすくなります。」と記述されています。
トレンドに安易に流されることなく、効果的な技術投資が行われるようにするためのもう一つの方法は、IT部門以外の、いろいろな立場の人たちからの意見に耳を傾けることです。デジタル、ハイテク、データを全社的に統合した組織は、クリエイティブな能力のある人やデジタルチームだけを集めてハイテクサイロに孤立させたりはしないものです。多くの企業が、ソーシャルメディアを使ってビデオを制作したり、スマートフォンで従業員に手を差し伸べてデジタル戦略のポイントを見つけたりするなどの作業を行っています。
基本的には優れた手法ですが、テクノロジーを民主化しようと躍起になり過ぎて、望ましくない副産物が生み出されてしまわないように注意する必要があります。たとえば、重複して無駄になる努力、互換性のないシステムの採用、企業戦略からかけ離れた投資、サイバー・リスクに対する不注意などです。
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