MarkLogic サーバー 11.2: 開発者重視の大きなインパクト

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投稿日: 2024年6月18

MarkLogic サーバー 11.2 は、柔軟なドキュメント変換、強化されたセキュリティとパフォーマンス、新しい統合手法により、データプラットフォームを向上させます。

Progress MarkLogic サーバー 11.2 は、開発者の生産性向上、セキュリティ強化、およびデータプラットフォーム上の新機能によってお客様の組織を強化します。開発者は、新しく柔軟なドキュメント変換機能を活用したり、MarkLogic をクラウドベースの主要なセキュリティプロバイダーと統合したりできるほか、社内のデータエコシステムをより広範な企業インフラに簡単に連携できます。

MarkLogic サーバー 11.2 では、Optic API がアップデートされ、ドキュメント更新およびクエリ実行がシンプルになりました。また、OAuth 2.0 JWT OIDC (Open ID Connect) 対応によりセキュリティが強化され、大量データを扱う企業のプラットフォームのパフォーマンスと監視性が向上しています。このリリースでは、Progress Semaphore および Progress Corticon とのネイティブ接続も新たに提供され、ビジネスルールの自動化、テキストマイニングおよびセマンティックナレッジモデリングのデータ管理および分析業務における活用が改善されました。

MarkLogic サーバー 11 シリーズによる根本的なデータ管理

ほとんどの組織にとって、デジタルトランスフォーメーションへの投資は依然として優先事項です。Forrester のレポートによると、IT 意思決定者の5人中4人が2024年には技術関連支出が増加すると予想しています。Gartner は、2027年までにエンタープライズインフラ用ソフトウェア支出 (セキュリティ、AI、ビジネスインテリジェンス、統合など) が大幅に増加すると予測しています。

進化するビジネスニーズに組織が対応する一方、エンタープライズテクノロジースタックが拡大したことで、IT 部門は望まない複雑な状況に対応せざるを得なくなり、またコスト超過が発生します。さらに、システムとの統合が難しい場合、プロジェクトや新しい取り組みの成功が危うくなる可能性もあります。

このような背景および生成 AI 導入の増加により、D&A (データ&分析) 戦略において定性データを優先するという劇的な変化が進行中です。1年前、D&A のリーダーは組織内で活用しているデータのうち非構造化データはわずか27%であると述べていましたが、Forrester は2024年に構築される新しいデータパイプラインの80%が非構造化データの取り込み、処理、格納用であり、企業はその分析と理解に注力するだろうと予測しました。

MarkLogic はその当初より、大量の非構造化データの業務活用を目的としてきました。マルチモデルによるデータ管理機能により、あらゆるソースからのさまざまなデータ形式を統合して、オリジナルデータを変更することなくデータの一貫性を維持できます。これにより、既存インフラを変更せずにすべてのシステムを相互に連携でき、技術関連投資を最大限活用できます。また柔軟なデータモデルにより、データフローの中断、新しいスキーマの設計、新しい ETL ツールなしで、新しいデータソースを随時追加できます。これにより、データプロジェクトを期限内に終わらせるために必要なアジリティがもたらされます。また、要件変更やデータソース増加の際にも、データアーキテクチャをシンプルに保って管理できます。

MarkLogic 11.2 の新機能

今回のリリースは単なる新機能導入や機能強化だけではなく、複合的なイノベーション、最新化、信頼性、拡張性への継続的な取り組みが結実したものとなっています。プラットフォームのパフォーマンス、拡張性、安定性の向上は、MarkLogic の毎回のリリースで常に目的とされていますが、それに加えて「データ最優先」の世界において常に新しい方法で成功できるようなアジリティ、使い易さ、価値実現時間の短縮も引き続き目標となっています。

MarkLogic サーバー 11.2 Innovation リリースは、リリースは、セキュリティへの妥協のない取り組みと、現実のデータ課題を解決するための持続可能なソリューションの発見を実現します。MarkLogic サーバー 11 で導入されたコア機能の拡張およびエンタープライズスタックの相互運用性に重点を置き、コスト効率の高い成長をサポートし、本物のビジネスインパクトをより迅速に実現できるようにしました。

またお客様が他のさまざまなProgress製品を活用し、意思決定インテリジェンス、精度、意思決定自動化を向上させる機能を追加できるように取り組んでいます。

柔軟なドキュメント処理とシンプルなクエリ

MarkLogic サーバー 11.0 では、Optic API (マルチモデルデータに対するクエリ用の MarkLogic 内で一元化された言語) に新機能がいくつか追加されました。例えば、GraphQL 対応 (新しい BI および分析ツールへの接続用)、行ベースの地理情報クエリ (これまでとは異なる方法で地理情報データをモデル化およびクエリ)、および Optic 言語に追加されたドキュメント更新機能などがあります。

11.0 の「テクニカルプレビュー」として最初にリリースされた Optic Update では、サーバーサイドでコードを記述せずに、1つあるいは複数のドキュメントを宣言的に更新できます (「すべての製品の価格を 10% 引き上げる」など)。クエリ、挿入、更新、削除を1つの式のなかで組み合わせて使用することで、MarkLogic におけるデータのクエリと処理がシンプルになり、時間も短縮されます。

JavaScript および Java クライアントに加えて、Optic Update でサーバーサイド XQuery および Node.js クライアントが利用できるようになり、自分の好きなサーバーサイドあるいはクライアントサイドの言語で Optic API のあらゆる部分を操作できます。

Optic Update が一般提供され、本番環境で使用できるようになりました。このリリースでは、ドキュメントの特定部分(「パッチ」)を選択的に更新する機能が導入され、クライアント/サーバー間でやり取りするデータ量を削減できます。また、エラー処理が強化され、マイクロバッチにおける大規模なトランザクションをより効率的かつ柔軟に処理できるよう処理方法を指定できます。

シンプルなインフラ統合を実現するセキュリティオプションの強化

MarkLogic サーバー 11.0 における OAuth 2.0 サポートに基づき、11.2 では認証フロー設定用のオプションが増え、より幅広いシナリオに対応できるようになりました。MarkLogic サーバーの Admin UI、REST API、および複数のビルトイン機能により、JSON Web Token (JWT) を使用して外部ユーザーを承認および認証する外部セキュリティオブジェクトとして OAuth 2.0 を構成できるようになりました。これにより、MarkLogic サーバーをエンタープライズセキュリティアーキテクチャに統合する手段が増えました。

HMAC 署名付きの JWT への対応開始により、Microsoft Entra、Amazon Cognito、Ping といった、クラウドベースの主要なセキュリティおよびフェデレーション ID プロバイダーとの実装がシンプルになりました。既存の OAuth 対応 IDP ソリューションを活用して、MarkLogic サーバーで認証や認可を簡単に実行できます。これらの情報を MarkLogic サーバーにインポートして格納する必要がなくなったため、セキュリティリスクおよびガバナンスのオーバーヘッドの両方を削減できます。

パフォーマンス、拡張性、安定性の向上

管理パフォーマンスの向上

大規模クラスタにおける管理 UI の応答性が向上しました。リバランスやリインデックスの状況はモーダルステータスダイアログでトラッキングされ、データベースおよびフォレストに関するステータスページの応答性が向上しています。また、他の Progress 製品のエコシステムに合わせた新しいブランディングなど、ルック&フィールも継続して改善していきます。

アプリケーションサーバーのキューサイズの監視

MarkLogic 11.2 では、アプリケーションサーバーの「キューサイズ」指標を公開して、各 MarkLogic アプリケーションサーバーの内部リクエストバックログを監視できます。キューにあるリクエストの数は、監視履歴とアプリケーションサーバーのステータスページで確認できるようになりました。これにより、MarkLogic クラスタにおけるパフォーマンスのボトルネックを容易に診断できます。

XCC クライアントが Elastic Load Balancer イベントを処理

XCC クライアントライブラリで、IP アドレスの変更が発生する Elastic Load Balancer イベントを処理するようになりました。これにより、mlcpCorb などの長時間実行ジョブが動的に再接続され、最新のロードバランサーの弾力性を活用できます。

Progress エコシステムとの新しい統合

Progress Semaphore とのネイティブ統合

MarkLogic と Semaphore を一緒に利用したい場合、MarkLogic を Semaphore とすぐに統合でき、Semaphore Studio から直接 MarkLogic にアクセスできます。

MarkLogic サーバーは、新しい Semaphore Concepts サーバーを強化して、大規模なセマンティックモデルのクエリパフォーマンスを改善し、下流システムへのアクセスを強化します。また MarkLogic サーバーから、Semaphore 5.8 から搭載されている Semaphore Text Mining サイドパネルも利用可能です。これにより、ナレッジモデルに基づいて大量のコンテンツを分析できます。

Concepts サーバーは、JSON および GraphQL でデータを公開する MarkLogic サーバーの機能を活用し、クエリ時のメモリ使用量を最小限に抑えながら、モデルを分析ツールや BI ツールに接続するさまざまな方法を提供します。

Semaphore の威力はナレッジモデルにとどまりません。メタデータによるデータへのコンテキスト追加や生成 AI への対応のために、データプラットフォームへのセマンティックミドルウェアの追加を検討している場合、これら2製品をネイティブに統合できるようになったため、分類、ファクト抽出、テキストマイニングに取り組む絶好の機会となります。

Progress Corticon とのネイティブ統合

Progress のビジネスルールエンジンである Corticon により、MarkLogic 上での複雑な意思決定を自動化できるようになりました。Corticon.js 2.1 から、MarkLogic サーバーへのネイティブ統合が導入されています。MarkLogic でネイティブに実行できる自己完結型の JavaScript バンドルとしてルールをパッケージ化できるため、よりデータに近い場所で意思決定できます。

この統合は私たちにとっても大ヒットであり、データおよびビジネスのアジリティを実現における大きな飛躍となっています。Corticon は、ビジネスロジックをコードに変換する洗練されたソリューションを提供し、MarkLogic のデータキュレーションプロセスに完全にマッチします。ビジネスユーザー向けのローコードインターフェイスにより、専門家はポリシーを自動化されたルールに変換し、ビジネス要件や規制要件の変更時に迅速に対応できます。一方、IT 部門はシンプルな API 統合を通じてそれらを MarkLogic に直接実装できます。外部サービスから取得した JSON データを処理中のペイロードを追加するには、1行のコードで十分です。

これは、金融サービス、ヘルスケア、公共機関などの規制の厳しい市場の大規模組織にとって特に役立ちます。給付金請求の処理を自動化したり、潜在的な規制違反にフラグを付けたり、MarkLogic に取り込まれた大量のデータをクリーンアップするためにハーモナイゼーションを実行したりできます。

将来を見据えたデータに向けて

新しいリリースが発表されたこの機会に、自社のアップグレード計画を再検討したり、Progress の他の製品やサポートサイクルをご確認いただくのはいかがでしょうか。MarkLogic の最新情報のページをご覧いただいたり、コミュニティイベントに参加して新しいリリースの詳細を解説するライブデモや製品の詳細情報に触れていただければと思います。

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